子宮頸がんワクチンの効果について解説!
岡山県岡山市北区の山下クリニックです。
当院では婦人科を専門とし、日本産科婦人科学会認定の産婦人科専門医が婦人科疾患全般の治療を行っています。
この記事では、「子宮頸がんワクチンの効果」について特集します。
子宮頸がんについて
子宮頸がんは年間約1万人がかかり、約2,800人が死亡している病気です。
この子宮頸がんは患者数・死亡者数ともに近年増加傾向にあります。特に50歳未満の若い世代での子宮頸がんの増加が問題となっています。
子宮頸がんの原因の95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。HPVの感染経路は、主に性的接触と考えられています。性行為の経験がある女性の半数以上は、HPVに感染しているとされており、性行為を経験する年頃の女性の多くがHPVに感染します。
そのうち一部の女性が、HPVの感染した細胞が異常な形に変化して前がん病変を発症します。その後、病気が進行すると子宮頸がんを発症することになります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主に性交渉を通じて生殖器やその周辺の粘膜にイボを生じさせ、扁平上皮癌の原因となるウイルスです。
HPVには100種類以上の型が存在し、その中の少なくとも13種類が発がん性を持つとされています。子宮頸がんおよび頸部前がんの約85%は、16型または18型のHPVによって引き起こされると考えられています。
子宮頸がんワクチンの効果
子宮頸がんの発症を抑制するには、子宮頸がんワクチンの接種が有効です。
現在、日本で利用可能な子宮頸がんワクチンには、2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンの3種類があります。2価ワクチンと4価ワクチンは、子宮頸がん発症の約85%を予防することができるとされています。また、9価ワクチンは子宮頸がん発症の約90%を予防できるとされています。
子宮頸がんワクチンは、性行為を経験する前の小学校高学年から中学生にかけて接種するのが理想的です。性行為の経験がある場合、HPV16型や18型に既に感染している可能性があり、その場合ワクチンの効果は期待できません。
ただし、子宮頸がんワクチンを接種しても、すべての子宮頸がんを予防できるわけではないため、ワクチン接種後も定期的な子宮頸がん検診を受けることが重要です。厚生労働省は、20歳以上の女性に対して2年に1度の子宮頸がん検診を推奨しています。
まとめ
この記事では、「子宮頸がんワクチンの効果」について特集しました。
子宮頸がんの原因の95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものとされており、子宮頸がんの発症を抑制するためには子宮頸がんワクチンの接種が有効です。
子宮頸がんの予防効果は、2価ワクチンと4価ワクチンで約85%、9価ワクチンで約90%とされています。