山下クリニックでは甲状腺の病気「橋本病」の診療・治療を行っています。
橋本病は成人女性の10人に1人が発症するとされ、多くの方がかかる病気です。
橋本病の原因や症状、治療についてご紹介します。
橋本病とは甲状腺に慢性の炎症が起こる病気です。甲状腺機能低下症の代表的な病気が橋本病といえます。
この橋本病は、本来自分の体を守るための免疫が自分自身の甲状腺を攻撃することにより発症します。これを自己免疫反応と呼び、橋本病は自己免疫疾患の一つです。自己免疫によって甲状腺に慢性の炎症が起こると、甲状腺が腫れるなどの症状がでます。橋本病が進行すると甲状腺ホルモンの分泌の低下がみられます。
橋本病は女性に多い病気で、男女比は1対20~30程度です。年齢別では20歳代後半から増え始め、30~40歳代が多くなっています。成人女性の10人に1人が橋本病を発症するとされています。
甲状腺はのどぼとけのすぐ下あたりにある小さな臓器です。この甲状腺は食べ物に含まれるヨウ素をもとに甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。
ホルモンとは体内でつくられて血液中に流れ、細胞や器官の活動を調節する生理活性物質です。ホルモンの一種である甲状腺ホルモンは体の発育を促進し、新陳代謝を活発にする働きがあります。
甲状腺ホルモンは正常であれば体に必要な分だけを分泌しますが、甲状腺に異常が起きると甲状腺ホルモンが多くなったり(亢進)、少なくなったり(低下)、腫瘍ができたりします。
橋本病は自己免疫疾患の一つで、本来自分の体を守るための免疫が自分自身の甲状腺を攻撃することにより発症します。自己免疫疾患とは、細菌やウィルスなどから体を守るための免疫が自分の臓器・細胞を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。
なぜ免疫異常が起きるのかは明確ではありません。現状は強いストレスや妊娠・出産、ヨード過剰摂取をきっかけに甲状腺機能低下症を発症し、橋本病が明らかになるのではないかと考えられています。
橋本病の症状には下記の内容があげられます。
橋本病の症状
□むくみ
顔や首にむくみが出ます。また喉の違和感を感じます。
□皮膚症状
皮膚の乾燥、汗をかかなくなるなどの症状が見られます。
□寒がりになる
甲状腺ホルモンの分泌低下により新陳代謝が低下し、寒がりになります。体温も低体温になる場合があります。
□食欲不振・体重増加
胃腸の働きが悪くなるため便秘、食欲低下がおきます。一方、甲状腺ホルモンの分泌低下で新陳代謝が悪くなるため体重が増加します。
□脈が遅くなる・息が苦しくなる
脈拍が遅くなったり、息苦しさを感じます。
□無気力
ものごとに対する意欲がなくなったり、記憶力が低下して物忘れが起こります。眠気を感じることが多くなります。
□筋肉症状
筋力の低下や肩こり、関節痛が悪化する場合があります。
□月経の異常
月経不順や月経過多が起きる場合もあります。
橋本病の治療は甲状腺ホルモンに乱れがあるかどうかによって判断します。血液検査で甲状腺ホルモンの濃度などを検査して甲状腺の機能を確認します。
甲状腺の機能が低下していない場合は治療の必要はなく、定期的に検査を行って甲状腺の機能を確認していくことになります。
一方で甲状腺の機能が下がってしまい必要な甲状腺ホルモンが足りない状態では、必要な量の甲状腺ホルモンを薬として内服して甲状腺ホルモンを補う治療を行います。
橋本病の治療は患者さんの症状や病状に合わせた方法で行います。
山下クリニック 副院長 堀井 誠
専門:糖尿病内科・内分泌内科
「地域の患者さんが気兼ねなく相談でき、その健康を末永く支えていく」ことを診療方針に据え、地域のかかりつけ医として患者さんに寄り添った医療を提供。
詳細なプロフィールは副院長挨拶からご確認ください。
橋本病は成人女性の10人に1人が発症するとされ、多くの方がかかる病気です。
「むくみ」や「皮膚症状」など橋本病の症状に該当される方がおられましたら、山下クリニックを受診ください。
ご来院をお待ちしております。