女性ホルモンは女性の体にとってなくてはならないものです。この女性ホルモンですが、女性の身体に大きな影響を及ぼし、その分泌量も年齢や月、日単位で常に変化していきます。その変化に対応しきれないと、生理前の不調、生理痛など不調が出て、日常生活に支障をきたします。
女性ホルモン外来は、女性ホルモンを起因とする症状や疾患に対して、より専門的に治療する外来です。当院で診療する女性ホルモン外来において、年齢ごとに内容を分けてご紹介します。
思春期になると卵巣から女性ホルモン(エストロゲン)が分泌されるようになります。初期には周期異常(月経周期異常、初潮遅延等)が時々見られます。頻繁に月経になる場合は治療が必要です。月経痛等も女性ホルモン外来でご相談ください。
成年期に多い月経異常の場合、挙児希望(赤ちゃん希望)の有無で、方法、目的が異なります。患者さんの状態に応じて治療法を選択します。月経の日付をずらす(移動する)相談などもご相談ください。
卵巣の寿命は約50年です。卵巣から女性ホルモンが分泌されなくなると異常・苦痛の症状を訴える方が出てきます。そのうち、約3割の方は無症状ですが、4割の方は年月と共に改善して、気にならなくなります。残り約3割の方は日常生活に差し障りが出るくらいの症状を訴えます。そのような方には、症状によってホルモン治療、漢方治療等を行います。
昭和10年(1935年)の日本女性の平均寿命は49歳でした。そのため、閉経後を考える必要はありませんでした。近年は岡山県の女性の平均寿命が87.2歳です。閉経後約37年間生活するようになりました。卵巣の寿命後期、必要な方は上手に女性ホルモンと付き合いましょう。