糖尿病は遺伝する?関係性をわかりやすく解説!
岡山県岡山市北区の山下クリニックです。
当院では糖尿病内科を専門とし、患者様に糖尿病に関する専門的な治療を提供しています。
この記事では、「糖尿病と遺伝」について特集します。
糖尿病とは
糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが十分に働かない場合やインスリンが不足するために血液中のブドウ糖(血糖)が増加する病気です。
糖尿病での高血糖を放置すると、さまざまな合併症を引き起こすリスクがあります。糖尿病の代表的な合併症には糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などがあります。また、高血糖は動脈硬化を促進し、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳梗塞や脳出血などの脳卒中のリスクも高めます。
糖尿病はその原因によって、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病などに分類されます。
糖尿病の治療は、血糖値をコントロールすることを目標に、食事療法、運動療法、薬物療法を中心に行われます。
糖尿病と遺伝の関係性
糖尿病の発症には、両親から受け継いだ遺伝因子が関与することが指摘されています。
疫学研究の結果では、兄弟姉妹に2型糖尿病患者が存在する場合には2〜3倍、両親が2型糖尿病である場合、その子供は3〜4倍程度発症リスクが高まるとされています。
ただし、両親や他の家族が糖尿病であるからと言って、必ずしも糖尿病を発症するわけではありません。糖尿病の発症には、両親から受け継いだ遺伝因子に加えて環境因子が影響します。
遺伝因子により糖尿病になりやすい体質の人が、不規則な食生活や運動不足、肥満といった環境因子の影響を受けると、糖尿病を発症しやすくなります。遺伝因子は変えられないため、血縁者に糖尿病の方がいる場合は、環境因子に注意し、生活習慣を整えることが重要です。
なお、1型糖尿病と2型糖尿病については、2型糖尿病の遺伝因子の影響が1型糖尿病よりも大きく、2型糖尿病は遺伝しやすいとされます。
まとめ
この記事では、「糖尿病と遺伝」について特集しました。
糖尿病の発症には、遺伝因子が関与することが指摘されています。ただし、遺伝因子のみで糖尿病の発症が決まるわけではなく、食生活、運動習慣、肥満といった環境因子も深く影響します。
遺伝因子の影響を受けやすい2型糖尿病においては、生活習慣を整えるなど環境因子に注意することが大切です。