糖尿病による足のしびれや痛み|合併症の「神経障害」に注意
岡山県岡山市北区の山下クリニックです。
当院では糖尿病内科を専門とし、患者様に糖尿病に関する専門的な治療を提供しています。
この記事では、「糖尿病による足のしびれや痛み」について特集します。
糖尿病とは
糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが十分に働かない場合やインスリンが不足するために血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に増加する病気です。
糖尿病はその原因によって、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病などに分類されます。
糖尿病での高血糖を放置すると、さまざまな合併症を引き起こすリスクがあります。また、高血糖は動脈硬化を促進し、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳梗塞や脳出血などの脳卒中のリスクも高めます。
糖尿病の治療は、血糖値をコントロールすることを目標に、食事療法、運動療法、薬物療法を中心に行われます。
糖尿病による足のしびれや痛み
糖尿病が進行すると、足にしびれや痛みを感じる患者様がおられます。
この症状は、足の指や足の裏に「ぴりぴり」「じんじん」といったしびれや痛みが生じ、症状が進行するにつれて手の指にも同様の症状が現れることがあります。
このような症状は糖尿病による高血糖が原因で、神経に糖の代謝物が蓄積されること、または神経への血流が悪化することにより、神経細胞が障害されるために起こります。
このような神経障害は、糖尿病の3大合併症の一つである「糖尿病神経障害」と呼ばれます。
三大合併症の一つ「糖尿病神経障害」
糖尿病神経障害は高血糖が長く続いた結果、全身の神経に障害が起こる合併症です。糖尿病神経障害は、糖尿病網膜症や糖尿病腎症とともに「糖尿病の三大合併症」と呼ばれています。
身体には、脳や脊髄から末梢神経が全身の隅々まで張り巡らされており、熱や痛みといった感覚を感じ取ると同時に、体の動きや血圧、体温を調節する重要な役割を担っています。
糖尿病による高血糖が続くと動脈硬化を引き起こし、これが末梢神経への血流を減少させ、神経障害を起こします。
糖尿病神経障害では、最初に足先に症状が現れることが多く、しばしば足の裏や指先にしびれが生じます。このような症状を放置すると、症状は進行し、「痛みを感じない」「足の変形」といった感覚神経や運動神経に異常が生じることがあります。
そのため、糖尿病による足のしびれや痛みが現れた場合は、糖尿病神経障害の可能性が疑われるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。
まとめ
この記事では、「糖尿病による足のしびれや痛み」について特集しました。
糖尿病による足のしびれや痛みは、糖尿病の三大合併症の一つである「糖尿病神経障害」が疑われます。
そのため、糖尿病の患者様で足のしびれや痛みが現れた場合は、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが非常に重要です。