【HbA1cとは】糖尿病の検査値をわかりやすく解説!
岡山県岡山市北区の山下クリニックです。
当院では糖尿病内科を専門とし、患者様に糖尿病に関する専門的な治療を提供しています。
この記事では、糖尿病の検査値「HbA1c」について特集します。
HbA1cとは
HbA1cは、「ヘモグロビンエーワンシー」と読みます。
HbA1cは血液検査項目の一つで、赤血球中のヘモグロビンの中でどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す指標です。糖尿病の検査項目は、HbA1c、空腹時血糖、随時血糖値の三つの指標が代表的です。
HbA1cと空腹時血糖や随時血糖値の違いは、どれぐらいの期間を対象として血糖の状態を測定しているかにあります。空腹時血糖や随時血糖値は、採血時の血糖の値です。一方でHbA1cは、採血した時点からさかのぼって、過去1~2ヶ月の平均の血糖値を示す指標です。
HbA1cの仕組み
ヘモグロビンは赤血球内の複合タンパク質の一種で、全身の細胞に酸素を送る働きをしています。
このヘモグロビンが、血液中の糖とくっつくと糖化ヘモグロビンになります。血糖値が高いほどヘモグロビンに結合する糖が多くなり、糖化ヘモグロビンの量が増えます。
赤血球の寿命は約120日といわれており、ヘモグロビンは糖と結合すると寿命が尽きるまでその状態を維持します。そのため、HbA1cは過去1~2ヶ月の平均の血糖値を示す指標となっています。
HbA1cは、全てのヘモグロビンにおいて、糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したものです。
血液中の糖の量が低い場合は、ヘモグロビンに結合する糖の量も少なくなるためHbA1cの値は低くなります。一方で血液中の糖の量が多い場合は、ヘモグロビンに結合する糖の量も多くなるためHbA1cの値は高くなります。
HbA1cの基準値
日本糖尿病学会が作成する糖尿病ガイドラインでは、HbA1cの基準値として、正常とされる値は4.6〜6.2%です。
HbA1cが6.0~6.4%ならば糖尿病の可能性があり、6.5%を超えていたら糖尿病が強く疑われます。最終的に糖尿病と診断するには、ブドウ糖負荷試験や血糖値を再度測定するなどの検査を行います。
HbA1cの検査値の考え方は年齢や性別、合併症の有無によって異なります。糖尿病ガイドラインでは「血糖正常化を目指す際の目標としてHbA1c6.0%未満」、「合併症を目指す際の目標としてHbA1c7.0%未満」、「治療強化が困難な際の目標としてHbA1c8.0%未満」が掲げられています。
合併症がなく通常の方であれば、HbA1c 6.0%を一つの基準として考えるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、糖尿病の検査値「HbA1c」について特集しました。
HbA1cは糖尿病の検査値であり、赤血球中のヘモグロビンの中でどれくらいの割合が糖と結合しているかを示す指標で、過去1~2ヶ月の平均の血糖値を示します。
HbA1cが6.0%以上の場合、糖尿病の可能性があります。そのような方は、医療機関を受診して、適切な診断を受けることをおすすめします。